泣き虫 笑福(わらふく)の在宅介護回顧録

約19年にわたって父を在宅介護してきた時に某SNSに綴っていた「介護日記」の振り返りです。

2015年10月4日の【介護日記】から

介護の情報を仕入れるために、あちこちの勉強会にせっせと参加していました。

プロに混じって図々しくも素人の私が(笑)

でも、「介護家族のプロ」として(笑)、医療介護従事者の方が私に一目置いてくれることもあり、気恥ずかしいです❤️

この頃は、いわゆる「遊び」に出かけることは父にすまない感じがして気が進まなかったのですが、勉強会には懇親会がもれなくついていて、それが楽しみでもありました。

 

   ↓


【介護日記】2015年10月4日


先週の金曜日、10/2の夜は【在宅医療カレッジ09】五島朋幸先生の「食べること 生きること 最期まで食べられる街づくり」を拝聴してきました。


私自身が口腔ケアの大切さを理解したのは、恥ずかしながら父が誤嚥性肺炎を起こしてから。それまでも「口腔ケア」という言葉を耳にして、自分もその口腔ケアを父に対して実践してきたつもりでしたが、それはただ「歯を磨く」ということだけの認識でした。

元々父は歯が丈夫で、79歳で要介護状態の今でも歯は全部自前。入れ歯ではありません。「8020」を目指して、その父の歯をいつまでも保とう…という思いで、毎日せっせと口腔ケア…いや、歯磨きをしてきました。


「歯だけ」を磨けばそれで完璧!と思い込んでいました。口腔ケアの不十分さから誤嚥性肺炎を発症してしまうことも知りませんでした。


しかし、「口腔ケアの目的は、口をキレイにすることではない。 食べられる口を作ること」という先生の言葉を聞き、強い衝撃を受けました。

もちろん、食べさせたいと思うからこそ、リハビリを兼ねた口腔ケアを毎日やってきているわけですが、私の考えは「口をキレイにする」ことで止まってしまっていました。口をキレイにすれば、誤嚥性肺炎にならないから食べられる口になるんだろうと…。は~おバカ。。。。(〃_ _)σ∥


父にまた口から食べさせてあげたいと思ったから一大決心をして胃ろうにしたのに、それ以上のことをなかなかできずにいた私。

この数カ月でいろいろと嚥下に関する勉強会に参加させていただき、口から食べさせることへの前向きな思いを父の主治医に強く訴え、訪問看護の際にも嚥下のリハビリをしてもらうよう指示を出してもらいました。

あとは…母の説得です。元々主治医は早い時期から食べさせようと考えてくれていたのですが、母がそれを拒否していました。

「もうお父さんに苦しい思いをさせたくない」と誤嚥性肺炎再発を恐れ、口から食べる訓練に絶対反対をしている母の説得は容易ではありません。


時々、細心の注意を払いながら父の口に少しだけ食べ物を入れてみます(まだ毎日とはいかないのが辛いところ)。

すると、「美味しい」と言ってはくれますが、「疲れたからもういらない」と、父自身がそれ以上食べることに意欲を持ってくれません。無理するとむせて誤嚥を起こすのが怖いので、今は父が「いらない」と言ったらそれ以上は食べさせていませんでした。

実は少し前までは、そのことを幸いだと思っていました。食べたいと思っているのに食べさせられないのは辛いが、本人が食べたくないと思うんだから、そんなに無理しなくてもいいんじゃないか…と。口から食べなければ、母が危惧している誤嚥性肺炎再発のリスクは少なくなるわけですし。

でも、五島先生の示された実例…全然飲み込みができなかった人が、数週間後にしっかり食べられるようになっている動画を見たときには体が震えました。会場からも「おおっ!」とどよめきが…。

私の父もこんなふうにまた食べられるようになってほしい!父にも食べることに意欲を持ってほしい!…そう思ったらいつの間にか涙が溢れていました。


五島先生の熱い思い満載のお話を聞いたらいても立ってもいられず、終了後にものすごい勢いで先生のもとへ駆け寄ってしまいました(何脚もの椅子、何人もの参加者の方をなぎ倒したことでしょうか…(^_^;))。

本当に感激した熱いお話しでした。ありがとうございました。


講演後には、感激して座長の恵子先生にも抱きついてしまいました。


いつもありがたいお話を聴かせていただきありがとうございます。

ここで学ぶことで、介護支援・介護サービスを受け身だけではなく、父を取り囲んでくれる主治医や訪問看護師、ケアマネの方々と対等…には遠く及びませんが、ひとつのチームとなっていろいろと具体的なお願いや提案ができているような気がします。

×

非ログインユーザーとして返信する