泣き虫 笑福(わらふく)の在宅介護回顧録

約19年にわたって父を在宅介護してきた時に某SNSに綴っていた「介護日記」の振り返りです。

2016年9月19日の【介護日記】から

介護日記というより勉強会参加の振り返りです。

この時は、医師自身が妻の介護をしているということで話題になっていた石本浩市先生のお話を聞きました。

石本先生はこの後まもなくお亡くなりになられたそうで驚きでした。

奥様はご主人の死もわからなかったそうです。

一度しかお会いできなかった先生ですが、優しい話し方と表情は今でもしっかり覚えています。

父への向き合い方を考えさせられました。

 

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【介護日記】2016年9月19日


昨日(9/18)はメディケア・アカデミーのセミナー 「認知症の妻を介護してきた医師」に参加させていただきました。

 

奥様の介護をされてきた石本浩市先生のお話しを拝聴し、私は現在の父の介護についてとともに、父の両親…私の祖父母のことが思い出されました。

祖父が祖母を介護していたんです。祖母の認知症発症は高齢になってからのことなので、石本先生の辿ってきた道とは全然違うかもしれませんが、夫が妻を介護するということで、祖父母のことを強く思い浮かべました。

 

私が小学生の頃、祖母は転倒したことで脳に血栓ができ、認知症になったと聞かされています。ン十年前のことですから(笑)認知症という言葉などなく、痴呆症と言われていました。

「介護」という言葉ももちろんなくて、老人ホームといわれていた施設も、問題行動(徘徊や排泄物垂れ流し)のある人は受け入れてくれなかったような……私が子どもの頃の話なので事実と違っていたらごめんなさい🙇

 

祖母は徘徊はするし、食事も食器を片づけた瞬間に「誰もメシを食べさせてくれない!飢え死にしてしまう!」と泣き叫んでいました。

トイレに連れて行ってすごい勢い、すごい量のオシッコ(父曰く「馬のようなションベン」)をしたばかりなのに「おしっこが出ない。死んでしまう~😱」とまた絶叫。

💩もトイレでしないで、さらにそれを足で踏んづけてしまうものだから、家中に💩が付着していてかなりスリリングな(!)ときもありました( ̄▽ ̄;)

 

それを数年にわたって祖父が世話をしていました。子どもである父と父の兄弟ももちろん協力していましたが(…といっても実際にやっていたのは私の父と母だけ🎵)、住まいは祖父母の二人暮らしだったので、当然ながら祖父に負担がかかっていました。自分がいま介護をするようになってよくわかりますが、前述したようなことが続いたら、どんなに温厚な性格の持ち主でも堪忍袋の緒が切れると思います。祖父もとても優しい人でしたが、ストレスで祖母にきつく当たったこともあったそうです。そしてついに限界で血を吐きました。


…そこからさらにいろいろありましたが(長くなるのでここでは省略)、その限界まで精いっぱいの介護をしてきた祖父に代わり、今度は私の父が祖母を献身的に世話していました。

過去に何度か投稿していますが、父は徘徊した祖母を一晩中探しまわったり、汚物まみれの体を“素手”できれいに洗ってあげたり……私など足元に及びません。

父は一度も声を荒げることなく、優しい表情、優しい口調で祖母に接していました。

 

その姿を子どもの頃から見ていたからでしょうか、私は父が倒れた時から介護することが当然のことと思い、介護をしないという選択肢はありませんでした。それでも実際に毎日のこととなるとキレるは腹立つは泣きたくなるは……。

父の首に手をかけましたもん(T-T)

枕を父の顔に押しつけようと思ったこともありましたもん(T-T)

父に呼ばれてもシカトしたこともありましたもん(T-T)


そんなことがいろいろと自分にも覚えがあったから、石本先生の「愛し直す作業をしたい」という言葉に胸が熱くなり涙しました(;つД`)

私は父が倒れる前まではまったく交流のない父娘の関係でした。いつも怒鳴られ、反抗して殴られて…十代の頃はそれで家出をしたことも(^_^;)

だから私も介護を通じて父を愛し直す…というか、恩返しをしたいという思いです。

 

石本先生は奥様としっかり腕を組んだり手をつないだりされているそうです❤

そういえば私の父も、最近は「母ちゃんが一番だ❤」と母(自分の妻)に甘えます(笑)

「私よりもお母さんのほうがいいの?」というと、「バッキャロー💢 あたりまえだ(#`皿´)」と(笑)

それを聞かされた私は「ラブラブですね❤おアツうございますね❤妬けますね❤」と返すしかありません(^_^;)

そうやって冷やかすと、父はニヤニヤしながらまたしても「バッキャロー💢」と言います(笑)

画面で見る石本先生ご夫妻のツーショットにも、そうやって野次を飛ばしたくなりました(笑)

 

懇親会は残念ながら参加が叶いませんでしたが、とてもありがたいお話を聞かせていただきました。

父の介護のみならず、祖父母のことまで振り返ることができ、あらためて父の優しさを感じることができたひと時でした。その父の優しさに感謝して、よりいっそう父に優しく尽くしたいと思います。

 

石本先生、笹岡先生、ありがとうございました。

 

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